チームビルディング・プログラム「コンプライアンス」

先日、お手伝いしたある現場で、こんなことがありました。

言葉を発することを禁止して、チーム全員が順番にある場所を方法を見つけながら通り抜けるする迷路というアクティビティ。

難しく神経を使う課題を与えられているチームは、何度も失敗し、1時間ぐらいが経過し、あと一歩で、達成ができるだろうという状態まで進んでいました。

方法が分かり、最後の最後、残り5分で全員が順番通り場所を通り抜ければクリアーという場面でした。

山場を超えて、ゴールが見えた参加者は、一気に全員が通り抜けて行きました。

「わ~やった!」 今まで緊張していた分、感動の瞬間でした。

ただ、本当は達成していない状況でした。

「1人だけ、順番が違っていたのです。」 ルールは、全員が”順番に”通り抜けること。

伝えるべきか少し悩みました。

①見間違いじゃないかな?

②言わない方がいいんじゃないかな?

①について

しっかりとメモを取っていていたので、そんなことはないのに、他の誰もがそのことを言わないので、もしかして見間違いじゃなかな・・・。不安でそう思いたかったんだと思います。

②について

みんなが感動的な達成感を味わっているときに、「間違っています」なんて言ったら、雰囲気を壊してしまうし、終了の時間も迫っているし、言わない方がみんな嬉しいんだよな・・・。

コンプライアンスが問題になる時、このような心の揺れ動きがポイントなのではないでしょうか。

「法律を遵守」「違反をしない」のはもちろん大切なのですが、事を大きくしないのは違反しているのを知った人が、声を上げられるようにすることも重要。

私は声を上げられると思っている人が多くとも、実際、そのような場面に出くわすと・・・。

今回のチームも、 [ルール違反は悪いこと]と考えているはずだった。

でも、実際は、チームの外から見ていたファシリテーターが指摘するまでは誰も言わなかった。

その時の振り返りは、すごく学びが深かったです。

いざ振り返りを始めて見ると、違反に気づいていたのに声を上げられなかった人が数人カミングアウトしてくれたり、 通り抜けるのを忘れていた人の感想があったり。

ただ、それをつるし上げるわけでもなく、全員が共有することで、学びを深めようとしていました。

・なぜ、気づいていたのに言えなかったのか?

・始める前に、最後まで落ち着いてやろうと行ったのに、最後に一気に行ってしまったのだろうか?

「では、一言ずつ感想を」とだけ投げかけられたのに、

一日を通じて体験学習サイクル(体験 ⇒ 指摘 ⇒ 分析 ⇒ 仮説化)を回すことを覚えてきたので、

体験を振り返って 何が起こっていたのかを考え、今回の体験をどのように活用することができるかを検討する作業を自然と行っていました。

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