英国交換派遣でプログラムに参加したメンバーが来年度の受け入れに向けて集まりました。
8月末に帰国して高校生たちは宿題テスト、運動会、文化祭、中間テストと怒濤の行事ラッシュを経験して、落ち着き初めたところでの受入れオリエンテーションです。
この数年の受入をオリエンテーションは、主催者の事務局が主体となって会議の運営を行いました。
一方的に主催者事務局が方針やルールを伝達する場となっていたため、学生も保護者も受身になっていました。
そうでなくとも、多くの”大人”が”ボランティア”で関わっている組織なので、皆さん善意で「あーしろ」「こーしろ」とバラバラのアドバイスをくださるので、学生たちに伝わってくる情報やメッセージが統一されずに右往左往しやすい状況でした。
昨年は担当外なので遠慮をしていましたが、今年は受入を大改革します。
その第一段が、主催者が引っ込むこと。2時間の受入オリエンテーションのうち 前半1時間をリーダーに任せ、後半1時間を保護者と学生に分けて保護者については、受入を経験した保護者の方々にお願いをしました。
同じビジョンを見られなかった昨年
昨年の受入では、10月・2月・4月・6月・7月に毎回二時間ずつ保護者と学生が集まるオリエンテーションをしていました。
私が出席したのは6月のオリエンテーションから。
まず驚いたのは、会議を重ねてきたにも関わらず”場”が成立していないこと。
例えば、主催者が何か話をしても、保護者が隣の人とコショコショ相談するだけで、全体に意見が何も出てこない。まるで威厳のある先生が仕切っている学級会みたい。
見学地やスケジュールなど決め事だけは決まっていくので、紙ベースでは進んでいるように見えるが、実際に行く学生たちは、「やりたいことを提案したのに保護者たちに否定された!!だからもういい・・・」とネガティブモード。学習された無力感で思考停止状態。 いつ何をするのか分かっていない。
えっ!保護者ではなく君たちが受け入れるんだよね?と言いたくなりました。
(BBQをやりたかったようなのですが、危ない!からと却下されたようです。)
最後の受入が終わったとの評価会で保護者の方から「みなさん色々と考えてくださっているみたいなので、保護者が口を挟んじゃ行けないんだと思っていました」「学生たちだけでBBQするのは危ないけど、手伝っていいなら一緒に楽しめたのに」と。
そもそも学生・保護者・主催者が違う方向を向いているのが露見しました。
今年の改革・改善
大学生リーダーを巻き込む
まずは、大学生リーダーを巻き込み作戦会議。
どうしたらいいかな?に対して
「高校生団員は保護者に現地のことをあまり話してないみたいなので、現地のこと知ってほしいんですよね」
じゃあ、よろしくね。ということで、前半1時間をリーダーに任せて会議を組み立ててもらうことにしました。
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ゴールは「保護者にも受入にワクワクしてもらうこと。」
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そのために、お願いしたことは3つです。
- パートナーとの思い出を話してもらう。
- 一昨年の受入の思い出や大変だったことを話す。
- 2つに加えて何が必要か考えて内容を付け加える。
具体的な方向性は出しながらも、大学生リーダーが考えアレンジする余地を残しています。
書類を減らす。
A4両面刷りで10枚~20枚もある派遣の意義や過去のトラブル事例、ルールやおすすめ訪問場所などをまとめた書類、危機管理ガイドブック、マニュアル類を配布し、会議中に主催者事務局が書類を読むスタイルで進めていたようです。
確かに何かトラブルが起きたときには、「ここに書いてあるでしょ」と言えるので安心ではあるのですが、まず見ないですよね。
必要なタイミングで必要な書類を渡すのが原則。そもそも口頭で伝えれば十分な書類は渡さないと配布書類を減らしに減らして、事務局が話をするパートを10分の1に圧縮しました。
書類を作成した人はアドバイス程度の気持ちでも、紙に書かれていると、見る側は内容に縛られます。口頭で言われた内容は、エッセンスだけ理解して後は自分たちの都合のいいように解釈され曖昧になりやすいです。
主体的に考え、自主的に動く、ためには、ある程度の遊びが必要です。わざわざ曖昧に伝えたり定義をしなかったりファシリテーターのスキルが役立ちます。
経験した保護者を巻き込む
英語しゃべれないんだけど! 洗濯をどうする?食事作りは?うち男の子しかいなけど女の子を受け入れるの!?
家の中で親にしか分からない苦労があるはず。そして子どもに見せたくない悩み事もあるはず。
ましてや主催者も家庭が抱える悩みを全て把握することはできないので、家庭のことは受入経験のある保護者から伝えてもらうことにしています。今年は、初回から保護者と学生を分ける時間を設けて、保護者説明&不安解消タイムを取りました。
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経験者の保護者には下記の内容に触れてもらうことを伝えてありました。
- 全体の準備(パーティー、おみやげ など)
- 家庭内の準備について(兄弟姉妹の協力や家の使い方など)
- 食事の件(アレルギー、好き嫌い、ベジタリアンへの対応など)
- 日程・過ごし方(送り迎えや家族だけで過ごす日、学生だけで活動する日、各ファミリーの協力など)
- 費用のこと(受入にかかる費用など)
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まとめ
偉そうな(決して偉くはないんだけれども)人たちが、偉そうなことを言っていると、考えずに受け入れてしまう。
納得していないことや自分で気づいたことでないとやらなくなってしまう。
だから、モチベーションをあげて環境を整えることが受入活動の第一歩。
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