高校生と大学生が一緒に3週間英国・ドイツへ短期留学をする派遣プログラムの大学生リーダーに対する事前研修がありお手伝いをしてきました。
全3回のリーダー研修のうち、今日は3回目にあたります。
1回目は、「リーダーとは何か」リーダーとは何をする人なのか?付箋に書き出しながらグループワークを行い団員とリーダーの求められることが違うことを学びました。また、主催者が求めている理想のリーダー像とのすり合わせにもなっています。
2回目は、リーダーとして団を運営するスキルの講義です。リーダーが団を運営する時には、リーディングとコーチングの2つを使い分ける必要があります。大学生リーダーにとって、団の方向性を決めて団員を率いていくリーディング・スキルが重要なことは部活動やサークル活動で理解しています。一方で団を見守り本人に選択肢を考えさせるコーチング・スキルは「何もしない」「見守る」「観察をする」が基本にあり、人を育てるためのスキルなので部活動やサークル活動では意識されません。しかし海外派遣は人を育てるための派遣なので、リーダーがすべてを取り仕切ってしまうと団員たちの成長の機会を奪ってしまいます。特にコーチングスキルにフォーカスを当てて重要性を伝えます。
そして3回目は、過去の派遣で起こった事例をもとにしたケーススタディーです。ケーススタディーは同じ事例が発生したらどうするか正解を学ぶのではなく、現地で事が起こったときに対応手段の幅を広げるために、一つのケースを考察して、場合分けをして対応策を検討します。
リーダー研修で利用した事例
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高校生団員がステイ先や団に無断で一人で鉄道を使って遠隔地を旅行をし、帰りが遅くなったらしいということを小耳にはさみました。 さて、あなたはどうしますか。
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2週目の後半になっても、パートナーや外国人とのコミュニケーションをとらない団員がいます。 1.なぜだと思いますか。 2.あなたならどうしますか。
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空港で手荷物チェックをし、出国手続きを済ませて集合したところ、団員が1名だけ足りません。いくら待っても表れません。 1.リーダーのあなたはどうしますか? 2.どうしたらよかったのでしょうか?
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ある団員がホームステイ先やパートナーを替えてほしいと相談してきました。 どのように対応しますか?
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主催者の方に、ご提案したのは下記(のような)内容です。
リーダー研修の目的
- 自己のリーダー像の確立と主催者の期待をすり合わせる。
- 事前研修・派遣中・帰国後のリーダーの役割を理解し、行動できるようになる。
- 過去の派遣生とのネットワークを構築し、団員とのパイプ役となれるようになる。
研修スケジュール及び内容
回 | 日時 | 研修内容 | |
1 | 3時間 |
【ワークショップ】 ・各自のリーダー像 ・主催者が期待するリーダー像 ・派遣リーダーの役割と実務 ・任命書の交付 |
・リーダーとしてどのような団にしたいか、どのようなリーダーになりたいか自己イメージを持つ。 ・自己のリーダーイメージと主催者の期待する役割をすり合わせる。 ・リーダーシップを発揮するとは?を理解する。 ・事前研修でリーダーに主催者が望むことを理解する。(具体的タスクの整理) |
2 | 3時間程度 |
【ティーチング】 ・リーダー・スキル(ティーチング、コーチング) ・団員へのメッセージ発表 |
一般技能としてのリーダー・スキルを理解する。 |
3 | 3時間程度 |
【ワークショップ】 ケーススタディー |
過去のリーダーが派遣中に何をしたのかを知る。 過去の派遣生とのネットワークを作る。 |
4 | 1時間程度 |
昨年のリーダーからの引継ぎ 同行者との顔合わせ |
・現地事情について ・同行者とリーダーの役割分担 |
5 | 2時間 |
【ティーチング】 海外派遣リーダーに関する諸規程 ・危機管理マニュアル ・保険手続き 【その他】 |
・どのような「リスク」が存在するのかを知る。 ・事故・事件・トラブル発生時の対処手順を理解する。 ・規定(危機管理マニュアル)を理解する。 |
※ブログ用に改変しています。