チームビルディングで起こった出来事:パンパープランクにて

もう1ヶ月も前でしょうか、久しぶりにプログラム中に感動して涙を流していまいました。
直接には参加者と向き合わないマネージメントの立場で関わっていたのに、涙を流すぐらい心が揺れ動きました。参加者が涙を流していたからでしょうか。

自分の中でも何が起きていたのか整理がつかず、ようやく言語化を始めています。

さてプログラムでは何もかもが異例な感じで進みました。
お客さんの会社にインターンとして参加している方(仮にYさんとしておきましょう)が、お客さんの会社と私たちスタッフの橋渡しをする役割と本人の興味と勉強のために、プログラム・スタッフとして関わってくれました。

そのYさんが ハイエレメントを体験したことがなかったので、プログラム実施前に会場設営あわせて、体験する機会を設けました。
先に言っておきます。本当は、ものすごく軽い・短い時間のはずでした。

ハーネスと命綱を付けて、パンパ-ポールの台へと続く階段を1歩1歩登っていきます。
「いやぁー怖い~!」という普段から見る普通の光景でした。
高さ8メートル、人が一番恐怖を感じる高さです。当然、高さに対する恐怖を感じます。

台の上に着きました。8メートルの台の上から思いっきり飛ぶと届くかもしれないぐらいの距離にある空中ブランコに向けて、ジャンプする課題です。

 

パンパープランク(ハイエレメント)

「あの空中ブランコのバーは、あなたにとって何なんだろう?」「今いる台は何?」・・・命綱を持ったファシリテーターがYさんに語りかけます。
ここから2人だけの会話がスタートしました。高さに対する恐怖が、過去にYさんが向き合ってきた「人生」に重なり、自身の内面に向き合っています。
パンパープランク(ハイエレメント)

高さへの恐怖であれば、声を上げたり・感情をシャットアウトすることで、比較的簡単に怖さを感じなくすこともできます。
しかし、人生における恐怖というものは、そう簡単に 気持ちを切り替えることはできません。

「飛びます!」と1回目に宣言するまで10分。宣言してから15分。しかし飛べません。
「あのバーはYさんにとってどんな意味があるの?」・・・だんだんとファシリテーターとYさんの2人だけの世界に入っていき、周りで見ていても意味が分かりません。
かれこれ台に上ってから50分。本人が自身の「恐れ」や「課題」に向かいきったところで、ファシリテーターからの最後の問いかけです。
「私は時間君です。だんだんとロープを引っ張っていきます。あと、3分で飛ばなければ、最終的に台から落ちることになります・・・」
Yさんは、自分に着いているロープを引っ張り落とされないように必死です。
「飛ぶ」ことができなくても「あきらめる」ことはせず「現状を維持する」ことに非常に強いパワーを使っていました。

最後、その後、10分以上たってからファシリテーターはロープを引っ張りYさんを台から落としました。自分の足ではしごを使って降りてこさせるというチョイスもあったと思います。しかし、「自分が飛べなかった」ということ「落とされた」という事実に向き合わせるためにも、あえて、ファシリテーターはYさんを落としたのだと思います。

最終的に1時間以上、台の上にいたので、しっかりとした振り返りはできなかったので、私の勝手な想像が入っていると思います。
ただ、「『飛ぶ』ことができなくても『あきらめる』ことはせず『現状を維持する』ことに非常に強いパワーを使う」何となくYさんのあり方を表しているようにも感じました。

私が何人ものファシリテーターを見ていて感じるのは成果を上げるファシリテーターの特徴の一つに「非難を恐れない」というあり方があるように感じます。
参加者から牙を向けられても動じない。見ていると時には非情な鬼のようにも思えます。
しかし、それが「参加者の学び」に繋がるのであれば、恐れない。
「愛」があるからできることだと思います。

あ!もっともっと書きたいことがたくさんあったのに、時間になってしまいました。
残念。

続きは、余裕があれば、また今度。

by poso

という文章を書いてから本人に一読してもらいました。ご本人の文章をそのまま引用すると

「「現状を維持する」という表現がちょこっと気になります。
イメージ的には、譲れない部分は譲らずに、挑戦をする、って感じかなぁ。
現状維持を良しとしている訳ではなく、自分が自分で居られる状態を保ちながら挑戦をする、
という感じです。」

だそうです。
初めて打ち合わせでお会いしたときと、プログラム中・プログラム後とYさんの印象がどんどん変化してきています。
“「自分が自分で居られる状態を保」つこと”に力を使っているように見えていたのに、プログラムが終わって1ヶ月が過ぎて”「挑戦」すること”にパワーを使っている感じが伝わってきます。

私も見習わなくっちゃ。

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