フォト・スカベンジャーハントとは、
フォト・スカベンジャーハントとは、制限時間の中でチェックポイントをより多く周り、指示された写真を撮ってゴールを目指すチームビルディングプログラムです。オリエンテーリングや最近ではフォトラリーなどが似たようなプログラムとしてあります。
オリエンテーリングは、スタートからゴールまでを地図上に示されたチェックポイント(コントロール)をコンパスを頼りにいかに早く回るかの競争です。対して、フォトスカベンジャーハントでは、チェックポイントがどこにあるのかは地図上では示されていません。写真や暗号になっている課題リストを見て、自分たちで考え推測したり町の人に聞いたりして、場所を特定し場所を目指します。課題には10点~200点ぐらいの幅で点数が付いており、最終的により多くの点数を獲得したチームが優勝です。そのため どの課題から取り組むか・どのように取り組むかはチームの戦略次第、またタイムトライアルではないので制限時間を十分に使って活動ができます。
フォトスカベンジャーハント | オリエンテーリング | |
実施 場所 | 街中や施設の中 | 野山など自然豊かな場所 |
ルートの有無 | 特定のルートなし どの課題を解いて、どの場所を回るかは自由 | 決められたチェックポイント(コントロール)を順番に回る |
勝敗の決め方 | ポイント制(より多くの得点を取った方が勝ち) | タイムトライアル(より早いほうが勝ち) |
達成に必要な力 | 幅広い知識と情報収集能力 ・コミュニケーション能力 | 地図読みやナビゲーション技術、メンタル的な能力とフィジカル的な能力 |
能力差への対応 | 特になし。全員が同じ課題で実施 | 年齢や技術レベルによってコースやクラスを合わせる |
オリエンテーリングについては、日本オリエンテーリング協会のホームページを参考。
フォトスカベンジャーハントがチームビルディングに適する理由
目的によって適するかどうかは変わると前置きをしておきますが、より幅広い能力を必要するので、一人でやるよりチームでやることの方が成果が上がりやすいプログラムだから。
「人」と「人」の相乗効果が成果が感じられる
チームで考えるから答えに近づく
まず、どこに行くのか?を考えないと行動することができません。
暗号になっている課題は、小学生が得意な とんち問題、音楽やスポーツや歴史など特定の分野を知っていると早く解ける問題、見方を変えたり何かと比べたりすることで見えなかったものが見えてくる問題など、幅広い知識や経験を必要とします。また、一つの課題を解くのにも2つの分野・3つの分野が交わることで解けやすくなる問題を含んでいます。
私が知らない音楽のことを他の人が知っているかも知れないですし、他の人が苦手なスポーツの課題を私は知っているかもしれないです。1人で考えていていると思いつかなかった視点でも、2人で考えていると意外にあっさりと解決できることもあります。
そのような意味で、幅広い知識が必要になりますが、一人で幅広い知識を持つ必要はありません。
人に頼るとより解決が早い
写真で示された場所を探す問題は、コミュニケーション能力を含め調査能力があると有利になります。
4月の京都のプログラムで使おうかと思って辞めた問題。
写真の場所で

スカベンジャーハントでは年齢や能力別に課題を変えて平等にすることはありません。なぜならば、リアルに成果を出す必要のある日常業務では年齢・体力・能力別に成果をだすことが求められていないから。ひたすら顧客を回って体力で得た成果も、体力がない人が頭脳で補って出した成果も 成果としては同じ。チームとしてみると、体力のある若手チームが有利なのか、発想力のあるベテランチームが有利なのかは分からないし、男性だけのチームだと・・・、女性だけのチームだと・・・有利不利は自分たち次第。
フォトスカベンジャーハントでは、体力だけで勝敗が決まらないように設計してあるので、あえて言えば、自分たちのチームの資源:人であり、人の持つ能力であり、能力の強み/弱みであり を把握して補い合い有効に活用できたチームが有利です。
但し、「色々な人と関わって欲しい」という意味では、チームを決める方々には 性別・事業所・年齢・職種・・・など出来る限りミックスされたチームがいいとは伝えています。
ルールの自由度が高い
戦略の幅が広い
チェックポイントを回る順番だけでなく、使える道具や手段も 法律や会社のルール・道徳規範に反しない限り自由です。
つまり、自由ということは成果を出すために必要なことは自分たちで考える必要があるということで、戦略の幅がひろがるということ。電車で移動するチームがあれば、歩くチームがあり、自分たちだけで考えるチームある一方で、他のチームと協力し合うチームがある。その戦略・方法が最適な方法だったかは、成果が出たかどうかです。
先日のプログラムでは、一番得点の高かったチームは私たちの想定を超えて、徒歩圏内だったのにタクシーを使って回っていたようです。
コンプライアンス
また、自由度が高い分、自分たちの行動を律するのは自分たちになります。ルールで定義されていないことを 良い とするか ダメ とするか は自分たちで考える必要があります。「コンプライアンス」を考えるときに一番難しいのは、ルールに規定のないグレーゾーンをどのように捕らえるか。法律違反は明らかにダメなことですが、規定のないことでも社会的に許されないことは多くあります。その「社会的に」を想像できるか。
先ほどのタクシーを使ったチームですが、ルール上は規定がないのでOKだったのですが、振り返りで他のチームから「活動資金として渡されていた金額ではタクシーに乗ることは出来ないハズだ!」と物言いがつきました。確かに一チーム1000円を渡していて、課題の中で500円~600円ほど買い物があったので、タクシーに乗る余裕はないのは事実です。タクシーを使ったチームに聞くと、優勝を狙って少しばかり自費を追加して赤字を穴埋めしたようでした。
「自費を投資してでも優勝を目指す」この行動ですが、営業系の会社では問題にならないことが多い、むしろ褒められるぐらいの目的思考行動とも取れます。
しかし、この会社では、経費の赤字を自費で穴埋めするのは御法度で、普段から厳しく予算管理をしていたため、そのプログラムでは、最終的に部長判断で減点となりました。
日常業務への関連がさせやすい
スポーツとしてのオリエンテーリングより、フォトスカベンジャーハントの方が体験学習として設計しているので日常業務に関連づけやすいです。
・チームで考える
・人に頼る
・資源を活用する
・自由度が高い戦略性
・グレーゾーンのコンプライアンス
といった日常業務で出てくるポイントを織り込むだけでなく、リフレクションの対話をすることと2ラウンド実施することがチームビルディングとしての効果を高めるポイントです。
気づいて終わりではなく、気づいたことを周りと共有するためには、リフレクションのためのチームでの対話の時間は有意義です。
そして、仕事に活かすという視点でのフォトスカベンジャーハントをする場合、2ラウンド実施することをおすすめしています。
時間 | 内容 |
13:00 (30分) | 導入・アイスブレイカー |
13:30 (15分) | ルール説明 |
13:45 (45分) | フォトスカベンジャーハント・1ラウンド目 |
14:30 (30分) | 中間リフレクション |
15:00 (90分) | フォトスカベンジャーハント・2ラウンド目 |
16:30 (60分) | リフレクションの対話&結果発表 |
17:30 |
終了 →夕食のパーティーで |
1ラウンド目は45分→中間リフレクション→2ラウンド目は90分→最終リフレクション&結果発表の流れ
1ラウンド目でやってみたことを振り返ることで、良かった点や問題点が表出させることができ、2ラウンド目で良かったことは継続して問題点は改善する機会がある。
それは、PDCAサイクルを回しながら、チームが自己最適化学習をすることができるということです。
いろいろ理屈をこねくり回しましたが・・・
どのようにプログラムを組むかは目的次第です。Fun!だけじゃなくて、何か組織に役立つことを組み込もうとすると学びの要素を組み込んでいきます。
しかし、ご褒美インセンティブを目的としたFun!アクティビティや組織へのロイヤリティを高めるためのチームビルディングプログラムでは、リフレクションの対話やPDCAサイクルなどお勉強要素は必要ないので、取り入れないこともあります。4月に実施の京都のプログラムでは、Fun!を全面に押し出すとのご要望でしたので、2ラウンド実施せず、リフレクションもありません!
京都市内でスカベンジャーハント→チーム毎で移動→太秦映画村でスカベンジャーハント 太秦映画村を貸し切りってパーティーと結果発表というプランを組んでいます。
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